Q1. なぜ「CUGA®」という名前なのですか?
    Q2. 本キットで、CUGA®3とCUGA®7の違いは何ですか?
    Q3. 「転写シークエンス法」でも解析できない塩基配列はあるのですか?
    Q4. 本キットは、転写反応を利用していますが、シークエンスしたい鋳型DNA中に転写終結配列あるいはそれに類似した配列があると、in vitroの転写シークエンス反応ではやはり停止してしまうのですか?
    Q5. CUGA®RNAポリメラーゼがT3およびT7プロモーターを誤認識することはないのですか?
    Q6. PCR産物を直接シークエンスの鋳型にできるのですか?
    Q7. ABI PRISM 377XL DNA Sequencerの同一ゲル上で、サイクルシークエンス反応物とCUGAシークエンス反応物とを同時に電気泳動、解析をすることは可能ですか?
    Q8. ABI PRISM "377XL"ではなく、"377"(古い機種)を使用していますが、CUGAシークエンシングキットを使用できますか?



    Q1. なぜ「CUGA®」という名前なのですか?
    A1.

    CUGA®」(「クーガ」と読みます)とは、RNAを示しています。C(シトシン)、U(ウラシル)、G(グアニン)、A(アデニン)の4塩基を並べ替えた名前です。ちなみに、スペルは違いますが、クーガはアメリカライオン(cougar)という意味もあります。

     

    Q2. 本キットで、CUGA®3とCUGA®7の違いは何ですか?
    A2.

    酵素の違いのみです。
    CUGA®3シークエンシングキットではT3ポリメラーゼ由来の酵素「CUGA®3RNAポリメラーゼ」を使用しており、CUGA®7シークエンシングキットではT7RNAポリメラーゼ由来の酵素「CUGA®7RNAポリメラーゼ」を使用しています。
    従来のサイクルシークエンス法では、フォワードプライマー、リバースプライマーを使い分けることで両方向からのシークエンス反応をおこないますが、転写シークエンス法では、プロモーター特異的なRNAポリメラーゼを使い分けることで、両方向からのシークエンス反応が可能です。

     

    Q3. 「転写シークエンス法」でも解析できない塩基配列はあるのですか?
    A3.

    8つ以上連続したAまたはTの配列(例:AAAAAAAAA...,TTTTTTTT...)がある場合、それ以降の配列が解析できなくなることがあります。これは、スリッページ(Slippage)と呼ばれる現象で、RNAポリメラーゼが転写反応をおこなう際に存在する特有の現象として知られています。

     

    Q4. 本キットは、転写反応を利用していますが、シークエンスしたい鋳型DNA中に転写終結配列あるいはそれに類似した配列があると、in vitroの転写シークエンス反応ではやはり停止してしまうのですか?
    A4.

    in vitro転写反応は、通常の停止反応に関する配列あるいはそれに類似した配列があれば、配列によって転写の停止が生じます。しかし本キットは、反応基質としてGTPの代わりにITPを使用することで、転写の停止反応の引き金になる新生RNA中の二次構造形成を阻害し、停止反応は起こりません。

    Q5. CUGA®RNAポリメラーゼがT3およびT7プロモーターを誤認識することはないのですか?
    A5.

    CUGA®RNAポリメラーゼは、プロモーター特異性が非常に強いので、シークエンス結果に影響をおよぼすような誤認識は起こりません。

     

    Q6. PCR産物を直接シークエンスの鋳型にできるのですか?
    A6. できます。従来のDNAポリメラーゼを用いたシークエンス法では、鋳型DNA調製の際、PCRとシークエンス反応の両方で2'-dNTPを基質として用います。したがって、PCR産物を鋳型に用いてシークエンス反応をする際、多量の未反応分の2'-dNTPやプライマーがシークエンス反応の障害となるため、シークエンス反応前に必ずゲル濾過等の精製操作を必要としてきました。CUGA®RNAポリメラーゼを用いた転写シークエンス法では、シークエンス反応はRNA合成を基本としているので、基質として2'-dNTPを取り込みません。したがって、転写シークエンス法では、PCR産物を精製することなく、PCR反応液をそのままシークエンス反応に使用することができます。

     

    Q7. ABI PRISM 377XL DNA Sequencerの同一ゲル上で、サイクルシークエンス反応物とCUGAシークエンス反応物とを同時に電気泳動、解析をすることは可能ですか?
    A7.

    ABI PRISM 377XL DNA SequencerでBIG DYEケミストリーを用いる場合、泳動条件としてE set filterを使用しなければなりません。CUGAシークエンシングでは、A set filterを使用するため、泳動条件が異なり、同一ゲル上では同時に泳動、解析することはできません。DYEnamic ETケミストリーでは、A set filterを使用しますので、同一ゲル上で同時に泳動、解析することは可能です。しかし、サイクルシークエンシングでは4%ゲルに対し、CUGAシークエンシングでは6%ゲルを用いますので、この差が解析結果に影響をおよぼし、ピークがブロードになる傾向が認められています。したがって、DYEnamic ETケミストリーと同一ゲル上で泳動、解析をおこなうことは、あまりお勧めできません。

     

    Q8. ABI PRISM "377XL"ではなく、"377"(古い機種)を使用していますが、CUGA®シークエンシングキットを使用できますか?
    A8.

    ABI PRISM "377"のものでも、解析ソフトウェアであるSequencing Analysisのバージョンが3.0以上のもの、すなわち、spacing値の入力ができるならば、使用することは可能です。転写シークエンスとサイクルシークエンスではピーク幅等が若干異なる場合があり、このような場合にスペース値の再入力により解析可能となります。"377"及びSequencing Analysisのバージョンによってはspacing値の入力ができないものがあります。CUGA® Sequencing Kitを用いる場合は、spacing値を自由に入力できる条件(Sequencing Analysis ver. 3.0以上)になっていることが必要となります。

     

     



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