• 転写シークエンス法のデータは、弊社が販売している「CUGA®7シークエンシングキット」を用いての結果です(キットに関しての情報はこちらをご覧ください)。
  • 鋳型DNAには、いずれもサブクローニングしたものを使用しています。
  • データ解析に使用したシークエンサーは、ABI PRISM® 377XL DNA Sequencerです。
  • 以下のデータの鋳型サンプルは、農業生物資源研究所/STAFF・イネゲノム研究チームからご提供いただいたものです。
  • 以下のデータの鋳型サンプルは、全てイネ由来のものです。

解析例1:GC-rich配列でのシークエンス

 GC含量が高い領域では、G-C間の水素結合力が非常に強く、熱変性時に二本鎖DNAが完全に解離しなかったり、完全に解離したとしても、その後に一本鎖DNAの分子内水素結合が起こることで高次構造を形成したりして、その結果、S/N比が非常に低かったり、全くシグナルが出ないといったことがありました。
  転写シークエンスでは、二本鎖DNAをそのまま酵素反応の鋳型に用いるので、、GC含量が高い配列でも問題なく安定した結果を得ることが可能です(図1参照)。
図1:GC-rich配列での解析比較





解析例2:パリンドローム(回文)配列でのシークエンス

 パリンドローム配列では、熱変性後の一本鎖DNA時に、主にステム−ループ型の高次構造を形成し、酵素反応の立体的障害となり、シークエンス波形データを見ると、パリンドローム配列部分から全くシグナルが得られないといった例が多く見られました。
 転写シークエンスでは、二本鎖DNAをそのまま酵素反応の鋳型に用いるので、高次構造を形成することなく、問題なく安定した結果を得ることが可能です(図2参照)。
図2:パリンドローム(回文)配列での解析比較



解析例3:poly-G配列でのシークエンス

 サイクルシークエンス法での解析が困難な配列に、GまたはCの連続配列があります。図3では、Gが18個連続した配列の解析データを示しており、サイクルシークエンス法では、Gの連続配列直後、その先のシグナルが全く出ていません。
 転写シークエンスでは、こういったGまたはCの連続配列でも、シグナルが落ちることもなく、その先も全く問題なく安定した結果を得ることが可能です。
図3:18個連続したpoly-G配列での解析例



解析例4:AT繰り返し配列のシークエンス

 ATAT・・・のような2塩基の繰り返し配列では、熱変性後の一本鎖DNAが引き起こす高次構造形成によるシグナルの減衰(図4参照,赤矢印は24回リピート部分を示す)や、DNAポリメラーゼ自身のスリッページ現象(図5)によるリピート数の読み間違えが生じていました。
 こういった配列でも、転写シークエンス法では、正確に、しかも、シグナルが減衰することなく、非常に高いパフォーマンスを得ることが可能です。
図4:ATの繰り返し(24回)配列での解析比較


図5:AT繰り返し配列での解析比較


結論

 以上のようなサイクルシークエンス法では解析ができない塩基配列でも、RNAポリメラーゼを用いた転写シークエンス法では、反応条件を全く変えることなく、通常の塩基配列と同様、優れたシークエンスデータを得ることができます。
 したがって、今までいったん通常の条件でシークエンス解析をして、シークエンスできなかったらケースによって反応条件を変えて再度シークエンス解析をおこなう等といったことを、転写シークエンスでは全くなくなりました。すなわち、シークエンス作業に費やす際の貴重な時間や人件費などが節約でき、
効率の良いシークエンス作業を行うことが可能です。


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